カリフォルニア州アラメダ市にて―かずみさんは妻であり、母であり、平日は高校の数学の教師、週末は日本語補習校の先生を20年間勤めていました。昨年9月に、かずみさんは急性骨髄性白血病の診断を受けました。化学療法を2ラウンド完了したあと、彼女の医師は、完治するためには、適合する幹細胞を見つけ、それを移植する必要がある、と彼女に言いました。
かずみさんは、日系アメリカ人です。最も適合する可能性が高いのは、日本人の方です。兄弟の幹細胞が、最も適合性が高い場合があるのですが、かずみさんの兄弟のものは適合しませんでした。
なので、次の手段は非血縁者のドナーの中から適合者を見つけることです。そこで日本人か、日本人の血が入っている方には、幹細胞のドナーとして登録していただきたいのです。登録していただいた方の中に、かずみさんの命を救える人がいるかもしれません。
かずみさんは、「私の大好きな運動をしたり、ハイキングをしたり、旅行したりなどして、これからも人生を楽しみたい。そのために私は戦い続けます。」と語っています。
適合性は、ヒト白血球抗原(human leukocyte antigen 略してHLA)遺伝子タイプで決まります。HLAとは、人を「その人らしく」している部分です。その人の遺伝子が持っている特性です。なので、患者さんと同じ人種の人のHLAが適合することが多いのです。
日系アメリカ人の患者さんにドナーが見つかる可能性は44%です。ヨーロッパ系の患者さんですと、適合する成人ドナーが見つかる可能性は77%です。
「癌と診断されてしまったけれど、家族と友人たちに囲まれて、私は恵まれていると思っています。」とかずみさんは言います。「日系コミュニティーの皆さんに、癌との戦いに勝つチャンスを与えていただきたいのです。」
カリフォルニア州アラメダ市にある、設立30年の非営利団体、アジア系アメリカ人ドナープログラム(Asian American Donor Program、AADP, www.aadp.org/)の、エグゼキュティブ・ディレクター、キャロル・ギレスピー氏は、「かずみさんは、非血縁者の日本人、または日系人の方に 進み出てもらって、ドナーとして登録してもらうことを切望しています。有色人種の方、そして、多人種の方に、ぜひ登録していただきたいのです。現在、Be The Match®全国レジストリに日本人として登録してくださっている方は、3万2445人しかいません。これでは少なすぎます。かずみさんや、他のドナーを探している患者さんのために、もっと多くの日本人、または日系アメリカ人の方に登録していただきたいです。」
レジストリに登録するには5分しかかかりません。自宅でできるキットを申し込み、オンラインで登録して、頬の内側を綿棒でこすり、郵送するだけ、と、とても簡単です。郵送費は前払いになっているし、どこかに行く必要もありません。費用はすべて授与金で賄われています。
www.aadp.org/homekitに行って登録しよう!
解決策は?
Be The Match®全国レジストリに多様な人種のドナーが少ないために、有色人種の方は、白血病や、その他の血液癌で亡くなる可能性が高いのです。どの人にも血液癌に打ち勝つための平等なチャンスを与えるには、人種的に多様なHLAタイプが多数登録されているレジストリを構築することが必要不可欠です。
AADPのスタッフは、有色人種や、多人種の方々に、レジストリに登録して、人命を救ってくれるよう、教育活動や、話しかけを行っています。AADPのスタッフは、幹細胞ドナーを増やし、幹細胞や、骨髄を移植することで、死に至る病を抱える患者が治るよう、懸命に活動を行っています。AADPは、Be The Match®の正式なリクルートセンターです。
「重症な血液癌を患っている、何千もの患者さんを救う方法があります。」とギレスピー氏は言います。「それらの患者さんを救うのはあなたかもしれません。今日、血液癌を患っている患者さんと、骨髄や、幹細胞が適合しなくても、将来、しかも外国の患者さんと適合するかもしれません。登録できる方は、全員、していただきたいと思います。登録方法は簡単です。オンラインで質問に答えて、頬の内側を綿棒でなぞるだけです。」
さらに彼女はこう付け加えました。「適合する骨髄がすぐ見つからない場合、その患者さんは適合者が見つかるまで、ずっと待たないとなりません。やっと見つかったときには、病気が進行して、移植するには遅すぎる、という状態になっているかもしれないのです。」
有色人種・多人種ドナーの不足
常時、1万2千の人々が、彼らの命を救ってくれる、幹細胞適合者を探しています。これらの人々は、多種多様な人種や国籍の人たちです。
2019年、アメリカでは、17万6200人が白血病、悪性リンパ腫、または悪性骨髄腫の診断を受けたと推定されています。同年、アメリカでは176万2450人が新たに癌の診断を受け、そのうち、白血病、リンパ腫、骨髄腫は10%を占めていると推測されています。(https://www.lls.org/facts-and-statistics/facts-and-statistics-overview/facts-and-statisticsより)
「コロナウィルスの爆発的感染拡大により、新規ドナーを募るための、私たちの地域教育活動や、意識向上プログラムは打撃を受けています。血液癌患者の方々の間にも懸念が広がっています。」とギレスピー氏は言っています。
コロナウィルスは、幹細胞移植によって治療が可能な、白血病や、リンパ腫などの血液癌を抱えた患者たちに、大きな悲しみをもたらしています。血液癌患者たちは、彼らの命を救ってくれるドナーが見つかるのが遅すぎるのではないか、と恐れています。彼らは、もし適合ドナーが見つかっても、その人はコロナが怖くて、幹細胞を提供するために病院に行きたがらないのではないか、と恐れています。
幹細胞適合者を見つけて、移植をする、という行為は、皆平等の医療ケアを受けられていない、ということの一つの例です。Be The Match®には有色人種のドナーが不足しているからです。
どのように助けられるか。
• オンラインで登録できます。www.aadp.org/homekit/
• あなたは、18歳から44歳までの方で、健康でなければなりません。
• オンライン合意書に入力して、スワブ(綿棒)キットを郵送してもらう。
• いったん登録したら、ドナーとしての責任を果たしてください。もし適合しているという連絡があったら、どのような患者でも提供してください。
どうぞ数分時間を割いて、どうやったら骨髄ドナーとして登録して、ほかの人の命を救えるか、ご覧ください。
Content from: https://jweeklyusa.com/9060/event/release/
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